外国人技能実習生ニュース

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ミャンマー進出に布石 北海道・滝川の不二建設 現地の大卒2人採用へ

2015/04/25 北海道新聞

 

 【滝川】市内の土木建設会社「不二建設」が、技術職の大卒ミャンマー人2人を「外国人技能実習制度」を使って採用する準備を進めている。民主化が徐々に進むミャンマーを有望な市場とにらみ、将来的に現地進出を目標にしている。

 国内の公共事業の先細りが見込まれる中で、民主化後に外資の参入が活発になり、インフラ整備の進展が期待されるミャンマーに注目した。昨年、中山 次郎社長(53)が、現地の事情に詳しいコンサルタントの主催する異業種勉強会に参加。現地を視察し、将来の進出に向け布石を打つことを決めた。

 

 視察の際につながりができた現地の人材派遣会社に来日希望者の紹介を依頼。昨年9月に社長が面談し、ヤンゴン在住の28歳と24歳の男性を採用す ることにした。2人とも専攻は土木関連ではないが、理系の大学を卒業。日本語も現地の学校で学び、日常会話やメールでのやりとりは無難にこなせる。

 日本の技術を新興国に伝える「外国人技能実習制度」で招へいすることにしており、早ければ6月にも来日できるように手続きを進めている。同制度に よる滞在期間は最大3年だが、政府は延長を検討している。2人には道路舗装などの現場も経験してもらい、インフラ整備が盛んなミャンマーで管理業務ができ るように育成する。

 中山社長は2人の実家も訪問して家族から来日の了承を取り付けた。単純な労働力とは考えず、日本人社員並みの待遇とする。今のところミャンマー進出計画は具体的になっていないが、中山社長は「2人には日本の現場でいろいろと学んでほしい」と期待している。

 同社には現在約80人の従業員がいるが、外国人の採用は初めて。滝川市内に居住するミャンマー人はいない。道経済部労働局人材育成課によると、ミャンマーからの技能実習生は道内では珍しいという。(石田礼)