外国人技能実習生ニュース

外国人技能実習制度や協同組合、技能実習生送出機関に関するニュース・コラムです。

実習生、欠かせぬ人手

2015/12/14 朝日新聞

 

■変わる社会・現場から:下

 10月下旬、茨城県神栖市の漁港で、インドネシアの男性2人が底引き網漁に使うロープを手入れしていた。2人の表情に浮かぶ笑顔を見て、はさき漁業協同組合の宮本聡総務次長(45)は目を細めた。

 

 漁協は今年、初めて外国人技能実習生を受け入れた。19~22歳の若者16人が4月、インドネシアから来日。サバやイワシを水揚げしているが、いずれ人手不足に陥る可能性がある将来を見越してのことだった。

 組合員の一部には「言葉が通じない者を入れて仕事になるのか」といぶかる声もあった。「摩擦が起きないか不安だった」という宮本さん。しかし、「みんな真面目で素直」と、実際に接して不安は薄らいだ。

 手取りで月10万円の給料を支払い、生活費は漁協で面倒をみる。カラオケに連れて行ったり、バーベキューに誘ったりして組合員も距離を縮めていった。宮本さんは「今のところうまくつきあえている」。互いに気を許し、「家族のよう」と思えるまでになった。