外国人技能実習生ニュース

外国人技能実習制度や協同組合、技能実習生送出機関に関するニュース・コラムです。

協和プレス工業 外国人技能実習生受け入れ /和歌山

2016/05/21 毎日新聞

 

共に働き社内も活性化

 板金プレス加工会社の「協和プレス工業」(紀の川市長田中)は、1996年から毎年、外国人技能実習生を受け入れている。実習生は、会社全体で取り組ん でいる国家資格、「工場板金技能士」の取得に向けた勉強会などにも積極的に参加。同社管理部の野村侑加部長は「研修生を受け入れ共に働くことで、社内の活 性化につながっている」と話す。

 

 受け入れ当初は、社内に具体的な研修プログラムがなかったため研修生も定着せず、03年に一時受け入れを中断した。しかし、以前に研修で来社した中国の 男性から「もう一度日本で最新の技術を学びたい」という思いをつづった手紙が届き、翌年に、受け入れを再開。日本語や学科、実技教育の充実を図った。これ までに中国などから延べ35人を受け入れ、技能実習制度3年間の定着率はほぼ100%。中には2級の工場板金技能士を取得した研修生もいるという。

 教育の特徴が、自社内で資格取得した1級の板金技能士らによる勉強会だ。「教育のリレーという形で、自らの経験や技術を後輩に伝えています」と野村部長。試験前には「合格」と書かれたはちまきで気合を入れて、業務にあたる従業員の姿もあるという。

 14年5月からは、タイの技能実習生受け入れを開始した。日本での生活が3年目を迎えるシンノーイ・クワンプラチャーさん(22)は「会社のみんなは優 しいし、仕事も楽しい」。同じく3年目のポーティラーチャー・アッタポンさん(22)は「日本の環境は働きやすい。タイに戻ったら経験も生かして大学に行 きたい」と語る。

 野村部長は「勉強会などを通じて、職場内のコミュニケーションは良好。研修生は技能実習の経験を基に、自国に戻って活躍してほしい」と話している。【倉沢仁志】