外国人技能実習生ニュース

外国人技能実習制度や協同組合、技能実習生送出機関に関するニュース・コラムです。

優しさと思いやり。介護と技能実習生、ミャンマー送り出し機関の現場からの考察

2015/4/11 AdverTimes

 

技能実習生の介護職種として来年度2016年の4月より3年職種にするべく、政府は動いています。介護職種としての技能実習生受け入れは今後どのようになるのでしょうか。

ミャンマー実習生送り出しの現場からの各種意見をまとめてみます。

まず、日本において技能実習科目としての介護が妥当であるかどうか。
これは、賛否両論分かれるところだと思います。
「人材不足の穴埋めに技能実習生を使うのはおかしい」「人材不足の今、実習生として外国人を迎え入れながら技術移転を図る一石二鳥」「背に腹は変えられない」
などいろんな意見があると思います。

現実問題として介護人材が30万人不足し、日本の社会の危機である状況は賛否両論別として変わりません。結局はこの人材不足を埋めなければいけないのが現実です。対策をしなければ、介護者がいなくなり、老人たちが困る。それだけです。

今の日本社会はれっきとした高齢化社会です。年齢分布図的に考察すると二人の老人を一人の若者が支えなければならない社会に突入しています。政府はこの現状の打開策として技能実習生を選ぼうとしています。日本人だけで支えることができないなら、外国人に頼るしかないと。

問題点はここからです。

日本の優れた技術を外国に移転する制度が技能実習生です。日本の介護の技術とは。介護とは技術的なものなのかどうか。介護においての技術は施設環境であったり、ファシリティー的なものが多い気がします。一体介護の技術とはなんなのでしょうか。

仮に日本と同じレベルの施設がミャンマーにあったとしましょう。今のミャンマー人はその施設に老人を入れるでしょうか。入れる人もいると思います。でも ミャンマーの人たちは家族で老人と一緒に生活をし、見守るという国民性です。一人で老人を施設に預けるという対応をしないのではないかと思います。もちろ ん時代が進めば変わると思います。将来ミャンマー高齢化社会になれば話は別です。その時のために技術移転をと考えれば、話はなんとなくうまく技能実習生 制度につながるかもしれません。

一つ言えることは、技能実習生の制度になんでも当てつけることで賛否両論の物議を醸し出すのだと思います。実習生の送り出しの現場で動く人間が言うのもおかしな話ですが、
結局はそういう事だと思います。送り出しをしている現場の私自身が、実習生候補生からヒアリングをすると、皆目的は技術よりもお金の方がファーストである ことを一番よくわかってるのですから。この意味は賃金格差がなければ、ありえない制度、それが「技能実習生制度」なんです。

簡単に言い直すと、政府は体裁をよく見せすぎです。
技能実習生制度という体裁の偽善行為のような聞こえのいい言い方をするせいで、実態との違いが生まれ、問題が起こります。問題は逃亡失踪問題や実習生の不当雇用問題などで、これがニュースになるせいで技能実習生制度って実際はどうなの?というような社会問題です。

ではどう言えばいいのか。少なくとも言えることは実態をもう少し明らかにし、実態にあった形での制度作りをしなければならないと思います。本当の実態は日 本の人材不足からきているもので、日本が人材不足でなければ技能実習生は日本にはたくさん来ないはずです。迎え入れる必要性がないのですから。

色々書いていくうちに技能実習生の実態が見えてきました。
私は送り出しをする立場としても、一人の人としても、技能実習生度は否定しません。なぜなら、日本の人材不足を補うための数少ない制度の一つですから。これがなければ、人材難で、日本のいろんな産業や業界が壊れるでしょう。

であれば、私としては、人材不足で日本が助けてもらうということを制度上どこかに明記すべきではないかと思うのです。ミャンマーと日本ということで技能実習生度を書くと、「ミャンマーと日本の国のためお互い様のWINWINな関係を作り出すための国際友好制度である」と。

このように明記すれば不当な雇用をする業者を撲滅知る方向に働くと思いますし、逃げ出す実習生たちの気持ちも変わります。

技能実習生たちは「働かされる」ではなく「日本のため自国のために自ら働く」という心理的な構図を作り出す必要があると思うのです。

介護職はまさにこの気持ちがなければ、難しい職種だと思います。優しさや、思いやり。そういったものがなければ技術だけではカバーできないとても繊細な仕 事であると思います。ミャンマー人は幸い、優しさ、思いやりを兼ね備えたとても素敵な人たちだと私は思います。ミャンマー人の若者たちが、技能実習生とし て介護の現場に入ることはとても日本にとってありがたい話で、感謝すべき話です。彼らにとってはそれがお金にもつながり、そして日本を救うという誇りにも つながるのではないかと思います。

お互い様のきもちを忘れることなかれ。

私のミャンマー人技能実習生送り出し機関ARBOURFIELDはこんな話をよく実習候補生に聞かせながら、教育を行い、自分の実習する意味を理解し、優しさと思いやりを持った若者たちを送り出すべく、努力を続けます。