外国人技能実習生ニュース

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提訴:技能実習の中国人女性「農家でセクハラ」 茨城

2015/06/26 毎日新聞

 

 茨城県行方市のシソ農家でセクハラを受け、残業代も一部しか支払われなかったとして、中国人技能実習生の女性(29)が26日、未払い賃金や慰謝料を求める訴訟を水戸地裁に起こした。また、女性を助けようとして不当解雇されたとして、受け入れ団体の元職員の男性(42)=中国籍=も団体を提訴。2人で計1300万円の損害賠償を求めている。

 

 訴状などによると、女性は2013年10月から1年余り、同県守谷市の受け入れ団体「協同組合つばさ」加盟のシソ農家で働いた。出荷準備の作業が未明まで続くこともあったが、農場主は午後5時以降は残業でなく「内職」と主張。時給約300円相当の賃金しか払わなかった。さらに女性は農場主の父から体を触られるなどしたが、働き続けるため我慢した。

 協同組合の実質経営者らは昨年被害を訴え出た女性を脅迫し、警察に通報した男性職員も解雇。男性は「組合が残業代を払わない方法を農家に指南していた」と訴えている。

 実習制度を巡り法務省は14年、241カ所の受け入れ団体や実習先で賃金不払いなどの不正を認定した。女性らの代理人の指宿昭一弁護士は「実習生が職場を変わる自由がない限り、人権侵害が起きる構造は変わらない」と指摘する。

 女性らの訴えに、協同組合つばさは「弁護士に一任している」とコメントした。