外国人技能実習生ニュース

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「日本の印象良かった」97%→来日後58%に激減 ベトナム人技能実習生調査 龍谷大

2015/07/29 産経WEST

 

 技能実習に来て日本の印象が悪化-。外国人技能実習制度に参加するベトナム人を対象にしたアンケートで、こんな結果が出た。劣悪な生活環境や低賃金労働などが背景とみられ、調査した龍谷大(本部・京都市)のベトナム人留学生、グエン・ヒュー・クィーさん(27)は「多くが日本に悪い印象を持ったまま帰国しており、両国関係に深刻な影響を与えている」と指摘している。

 

 アンケートは平成26年10~11月、ベトナム人実習生100人以上にメールなどで依頼し、38人から回答を得た。その結果、97%(37人)が来日前の日本の印象を「とても良かった」または「まあまあ良かった」と回答したが、来日後の印象では58%(22人)と、約40ポイント減少。来日前は一人も選ばなかった「印象はあまり良くない」は37%(14人)に上った。

  自由記述では「給料が安い」「単純作業ばかりで帰国後の就職に役立たない」など待遇や労働内容への意見のほか、「自由がない」「狭い部屋に大人数で住まわされる」といった生活環境の不満もあった。

 

 また、実習生の多くが「アンケートへの協力が受け入れ先に知られれば報復されかねない」と回答を断ってきたという。

 

 クィーさんは「意見すら言えない人が多く、実態は深刻。制度見直しの必要性を日本社会に伝えていきたい」としている。

 

 制度は、人手が集まらない企業が実習名目に、立場の弱い外国人を劣悪な条件で働かせている事例が多く、国内外で批判がある。

 

 結果は3月、龍谷大の研究団体の発行誌に掲載された。