外国人技能実習生ニュース

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厚労省/建労金助成を拡充/技能指導者養成にも

2015/12/25 建設通信新聞

 

 厚生労働省の2016年度予算案で、建設労働者確保育成助成金(建労金)の助成メニュー拡充が認められた。新たに「登録基幹技能者」の賃金などの処遇を 向上させた企業への助成金交付を始める。建設技能を継承するための指導者養成訓練コースに対する助成も、技能実習コースの助成対象として新たに加える。ま た、東日本大震災被災3県だけを対象としていた、建設工事現場に女性専用のトイレや更衣室などを整備した中小元請企業への助成を全国で始める。女性労働者 の技能習得に対する経費助成の対象は、現行の中小企業に加え、16年度から大企業・中堅企業にも広げる。建労金の予算額として50億円を計上した。

 
 建労金の4項目の拡充は、「将来の担い手・技能労働者の確保・育成と女性の活躍推進を強力に進める」(厚労省)ことが目的だ。技能労働者のキャリアパス の最上位に位置付けられている登録基幹技能者の給与引き上げや手当を新たに支給するなど、賃金の処遇を向上させた中小企業に助成金を交付する。助成額は対 象者1人当たり30万円とする。1年当たり10万円で3年間支援する。


 助成金交付要件の詳細は今後固める。給与引き上げは一定基準以上、手当の場合は一定額以上とする。助成金のため、1年当たりの助成額を上回って処遇を向上させることが交付要件になる見込み。


 建設技能を継承するための指導者養成訓練コースに対する助成では、企業が訓練機関に指導者養成訓練を委託する経費と訓練受講者の賃金を助成する。経費助成の助成率は8割となる。賃金助成は1日当たり3時間以上の訓練に対し8000円とし、20日間を上限とする。


 建設現場で女性専用の作業員施設を賃借で整備する場合の助成は、中小元請企業が対象となる。男女兼用でなく女性専用のトイレや更衣室、シャワー室などの 施設整備経費を助成する。助成率は3分の2。被災3県の特例措置を全国に広げることで、建設現場で女性が働きやすい環境の整備を後押しする。


 女性労働者の建設技能習得に対する経費助成の対象は、16年度から大企業・中堅企業に拡大する。ただ、助成率は中小企業より引き下げ2分の1とし、賃金助成はしない。


 厚労省では、建労金拡充のほか、介護や看護といった重点分野を対象とする「職場定着支援助成金(個別企業コース)」制度の対象を、16年度から重点分野以外にも広げる。このため、建設業も新たに助成対象となる。