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外国人技能実習生ニュース

外国人技能実習制度や協同組合、技能実習生送出機関に関するニュース・コラムです。

続発する外国人労働者の失踪…背景に霞が関の「天下り組織」

2015/04/13 デイリーNKジャパン

 

法務省は3月、今年1月1日現在で日本国内にいる外国人の不法残留者が6万7人で、前年と比べ946人(1.6%)増えたと発表した。不法残留者の数は1993年をピークに一貫して減少しており、増加は22年ぶりのことだ。

その原因は、失踪する外国人技能実習生が前年に比べ千人以上も増えたことにある。

外国人技能実習生の一部(というよりは相当数)が、劣悪な労働環境にあることは以前から指摘されてきた。

 

たとえば、米国務省の2014年版「人身取引報告書」は、日本で働く外国人技能実習生について「多くは非熟練労働者として働き過酷な労働条件や強制労働の犠牲になりやすい」と指摘。茨城県で働く技能実習生たちの写真も添えている。

そして現実にも、農業実習生として来日したベトナム人男性が生活に困窮したあげく、ヤギを盗んで食べるなどの事件が続発している。

しかし、こうした現象の背景に、霞が関の「天下り団体」と中国共産党の利権組織が、何も知らない労働者をキャッチボールして食い物にする構図のあることは、ほとんど知られていない。

かくいう筆者も、このほど「ルポ 外国人『隷属』労働者」(「G2」vol.17)で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したジャーナリスト、安田浩一さんをインタビューして見て初めて知ったことだ。そのあまりに露骨なやり方には、呆れるしかない。

外国人技能実習制度は、法務、外務、厚生労働、経済産業、国土交通の五省天下り団体である「JITCO(国際研修協力機構)」が、日本国内での労 働環境などを監督することになっている。しかし実質的には何もしておらず、一部企業のやりたい放題を黙認する形で、搾取構造を助長しているのだ。

そして、そこに田舎の若者を送り込んでいるのが、中国共産党幹部らの利権組織とも言える人材輸出学校だ。若者らは学校に高い入学金(というか日本行きのための手数料)を借金をして払っており、その返済と、日本での低賃金の間で苦しむことになる。

外国人技能実習制度は本来、発展途上国などの外国人が働きながら日本の技術を学ぶ仕組みで、対象は建設や農業、漁業、食品製造、機械・金属など71職種に上る。

そして、後継者不足や若者離れに悩むこれら産業の現場が、もはや外国人実習生という名の「安価な労働力」なしには成り立たない現実がある。

それ自体は、非常に悩ましいことだ。国内で十分な労働力が確保できなければ国際競争力を維持できないし、産業の空洞化がいっそう進んでしまう恐れもある。

だからといって、事情にうとい外国の若者を騙すようにして連れてきて、一定期間が過ぎたら帰らせてしまうという、そんなやり方を続けていて日本の国益は傷つかないのか。

日本の政治家は国内での「派遣切り」や「雇い止め」が問題化したことに懲り、「外国人なら使い捨てにしても票には影響しないだろう」くらいに高をく くっているのかもしれないが、グローバル化した世の中からのしっぺ返しを、甘く見ない方が良いだろう。(高英起・デイリーNKジャパン編集長)