外国人技能実習生ニュース

外国人技能実習制度や協同組合、技能実習生送出機関に関するニュース・コラムです。

外国人実習生、昨年は5803人も失踪していた

2016/03/08 東洋経済オンライン

 

日本で失踪した外国人技能実習生が昨年5803人に上り、過去最多だった前年を大幅に上回ったことが法務省の調べで分かった。

実習先での劣悪な労働環境が失踪につながるケースも多く、政府は実習先の監視を強化する法整備を進め、失踪増加に歯止めをかけたい考えだ。

 

外国人技能実習制度は、外国の若者が日本で先端技術を学び、母国の発展に生かしてもらうことを目的としており、昨年6月末時点で約18万人が実習を 受けている。実習生の失踪は2012年は2005人だったが、13年に3566人、14年には4847人と千人規模の増加が続いている。

昨年の失踪者は中国人が3116人で最も多く、ベトナム人1705人、ミャンマー人336人と続く。制度を悪用して、実習生に別の仕事を紹介し、失踪を助長するブローカーの存在が指摘されている。失踪後、就労目的の難民申請を行うケースもある。

受け入れ企業・団体の実習生に対する悪質な処遇も、失踪の一因となっている。賃金不払いなどの不正行為を指摘された受け入れ企業・団体は5年連続で 増加。昨年は前年比32増の273団体に達した。100万円以上も賃金を支払わなかったり、作った製品の質が悪いことを理由に殴ったりした例もあったとい う。

法務省は昨年、外国人実習生への人権侵害に罰則を設けた技能実習適正実施・実習生保護法案を国会に提出し、早期成立を目指している。施行されれば、企業・団体は外国人実習生の受け入れ計画について政府機関の事前認定を受けなければならなくなる。